ストーリー
ヘッドホンを付けてパソコンの画面を眺めている時だけが、俺にとって唯一の心安らぐ時間だ。
今もそうしている。
(もうこんな時間か……)
時計の針が指しているのは1時。
弟の部屋から明かりがもれていた。
双子の弟である陸人(りくと)は、スポーツマンで優等生。
部活の朝練もあるから、こんな遅くにまで起きていることは珍しい。
俺じゃあるまいしと思いながら、足音を忍ばせて弟の部屋へと向かった。
部屋の前まで来ると、閉め忘れたのであろうごくかすかに開いた扉の
向こうから、小さな声が聞こえてきた。
「や、やっぱり……こんなのまずいよ、有紗」
嫌な汗が滲んでくるのを感じながら、俺は扉の隙間へ顔を近づけた。
俺は自分の目を疑う。
妹の有紗が、無我夢中といった感じで
双子の弟・陸人の亀頭を吸いむしゃぶっていた。
兄と妹とでこのような行為におよんでいるのを目の当たりにして、
苛立ちや嫌悪感がこみ上げ、目の前で繰り広げられている光景に
唖然として、金縛り状態に陥ってしまう。
さらに自分の存在を貶し、無視する妹達に俺の中で何かが弾けた。
男性器をぎちぎちに勃起させている下腹部から、黒い情動が胸の
あたりまで逆流してくる。
(そっちがその気なら、こっちにも考えがある)
俺は足音を忍ばせて部屋まで戻り、スマートフォンを手に取り、
細く開いた扉の隙間から、二人の様子を隠し撮りを……。
さて……と。
この画像、どう利用してやろう?