ストーリー
2008年、東京。
絶大な政治力を背景に超法規的活動を行いながらも、その実態が謎に包まれた研究機関、『古痕』。
各分野の傑出した人材が集まるその組織の中でも、一際異彩を放つ研究者がいた。
男の名は津名川宗慈。
遺伝子工学に長け、ヒトゲノムの解析とプログラム、そしてそれらを応用した戦闘用アンドロイドの研究を行っていた。
彼の知識の深さと鮮烈さは、まるで『はじめから答えを知っている』かのようである。
そしてその研究段階で作り出された三人の少女達は、追加された24対目の遺伝子から『エクストラ』と呼ばれた。
エマ、沙友、透花と名づけられた少女達。
人の手によって作り出された、限りなく人に近く、しかし人とはかけ離れた存在。
津名川を慕い、彼の研究に協力するエクストラ。
それなりに穏やな時を過ごしていた彼と彼女達の日常は、研究所に侵入してきた戦闘用ロボットとの戦いを機に変化していく。
―――それぞれの思惑、そして深まりゆく謎―――
エクストラの兵器としての性能を知り、暗躍を始める軍部。
独自の正義に基づいて動く、公安のナンバーレスエージェント『荒山鳥人』。
津名川にライバル意識を燃やすもう一人のエクストラ開発者『高宮エレン』。
そして交錯する人々の思惑の中で深まり行く謎…『オリジン』、『古痕』、『バベル』……。
さまざまな事件を乗り越え、徐々に明らかになっていく計画の全容とそれぞれの真の目的。
そしてエクストラに関わる人間達の悲しい過去。
行き場の無い幾多の軋轢がドミノのように加速し、物語は、すべてを巻き込みながら終焉へと昇りつめていく……。