ストーリー
先日の夜から続いている小雨も、空の様子からすると、もうすぐ止むだろう。校門前で、俺は校舎を見据えるように立っていた。
この街についたのは、今日から一週間ほど前。
鳥取で一騒動起こし、夜逃げ同然でこの街に来た。
別に特別な当てがあった訳でもない。
羽を休める為に寄ったこの街は、一見して穏やかな中規模の街だった。
それが、この学校だけは少し違う。
この学校は、妖魔の巣窟と呼んでいい程の魔気を含んでいる。
よほどの事が内部で起こっているのではないかと、この一週間観察していたのだが、
別段普通の学校と変わる所も無い。
それもまた不自然過ぎる。
「まぁ、いずれ解るか。
」
今日から俺はここの生徒になる。
内部に入れば、また様々な事も見えてくるだろう……。