ストーリー
部屋の中にバカ笑いと菓子を噛み砕く音、コロコロと鈴を転がしたような可愛らしい声が響く。
その光景をため息混じりに眺めながらも、本来の住人は、なんとなく幸せな気分を味わっている。
子供の頃の出来事から人との係わり合いを避けて来た『大畑隆一』は、自分を支えてくれた親友『芹沢槙宙』と、
多少変わり者ながら気が置けないオカルト研究会部長『野原奏音』のおかげで普通の生活を取り戻していた。
そんないつもの夜、コンビニへ買い物へ出かけた隆一は公園で不思議な光景を目にする。
それは白いワンピースの裾をヒラヒラさせて、まるで踊るように飛び跳ねる女の子だった。
まるで、女の子には体重ってものがないみたいだった。
砂埃ひとつ起こらない……身体が浮いてるみたいだ。
女の子「……んふふっ、またにゃはっ」
まるでフッと消えるように、女の子は俺の視界から消えて無くなった。
ホントに、まるで消えるみたいに……
隆一「これって、やっぱり……れ、霊現象?」
この日から、隆一の周りで不思議な、しかし懐かしい夏が始まる。