ストーリー
そこには年若い兄と、双子の妹が三人で住んでいた。
彼らはもう何十年もこの家に暮らしている。
時折迷いこんでくる「獲物」を待ちながら……
ある夕暮れ時、突然の驟雨に追われて迷いこんできた三人の少女たち。
兄妹は快く彼女らを歓待する。
何も知らない少女たちを。
「久し振りのお客様だわ、兄様」
「久し振りのごちそうだわ、にいさま」
双子たちは言い合い、ほくそ笑む。
「本当に、随分と久し振りのお客様だ。
存分におもてなしをしないとね」
双子たちに、兄もまた微笑した。
「私たち、ミステリークラブなんです!」
少女たちは言う。
放課後や休日に、廃墟や心霊スポットをめぐることを楽しみにしている同好会らしい。
「でも、おかしいなぁ、ここはとっくに使われなくなってると思ってたのに……」
首を傾げる少女たち。
彼女らはまだ、自分が蜘蛛の巣に絡め取られてしまったことに気付かない……。