ストーリー
9月――芽生えとともになにかが変わると信じていた春が終わり、
木々が生い茂る夏を通り過ぎて、ようやくたどり着いた落ち葉の季節。
これからもなにひとつ変わることなく大切な幼なじみや友人たちとの楽しくも穏やかな日々が
ずっと続いていくと思っていた。
けれども、あの過ぎ去った春の片隅の小さな思い出の1枚がいま、
花となり、実となって、目の前に舞い落ちる。
どうしてあのとき気付かなかったのだろう。
心のどこかで待ち焦がれたなにかが、ほんの半歩先にあったことを。
薄く青い色をした木々が秋になり鮮やかに色づき始めるように、ふたりの想いも形も変わっていく。
そんな気がするんだ。
もうすぐ秋がまわり始める。
新しい出会いの秋が――