ストーリー
「それじゃあ、行ってくるわね。ごめんなさいね、ウチのバカ息子がバカなせいでまた迷惑かけると思うけど」「だーいじょうぶよ。
ナオ坊の寝小便始末したことだってあるんだし、多少の迷惑なんて今更よ」母・ありさと、隣室に住む母の友人・西村 詩織(にしむら しおり)のやり取りを憮然とした面持ちで聞きながもら、あなた──篠田 直樹(しのだ なおき)はこれから始まる五日間に、ワクワクをこらえ切れませんでした。
母一人子一人の二人暮らし。
母子の仲はかなり良いほうだと思いますが、それでもたまには思い切り人目を気にせず羽を伸ばしたいこともあるのです。
そう──たまには! 何の気兼ねもなく!! 母の足音や気配に怯えることなく!!! オナニーしたい!!!!性欲溢れる健全な青年男子のあなたが、そう思ってしまうのは仕方がないことです。
そんな日々に降って湧いた、母の務め先の社員旅行。
あなたの頭のなかは、すでに、友人から借りた爆乳熟女AVのことでいっぱいでした。
「ナオ坊、あんた、あーちゃんいないからって、女の子連れ込んだりするんじゃないよ。
まだ早いからね」「そんな心配必要ないから。
彼女もいないし、なんなら女友達もいないし……いきなり落ち込ませるのやめてくんない?」横で母を見送りなら、詩織さんがそんなことを言います。
母と同じくバツイチの、母の学生時代の友人。
母とは違い夫とは死別しているのですが、以降「男なんてもう要らない!」を合言葉に、お隣さん同士になり、はや10年。
多忙な母に代わって食事の支度なんかも幾度となくこなしてくれた詩織さんは、もはや二人目の母と言っても過言ではありません。
ただまあ、二人目の母扱いをするには、少し刺激的過ぎる肉体の持ち主ではあり……ぶっちゃけ、あなたが爆乳熟女大好きボーイになってしまった現況でもあります。
チャンスがあればぜひ童貞を捧げたいと思っておりますが、母の友人とそういう感じになるのはいろいろハードル高いよな……と、せめて似ているAV女優さんを探し、頭のなかで疑似セックスにふけるのが関の山です。
そんな、ベストオカズウーマンこと詩織さんが、あなたを見て意外そうな顔をします。
「あらま。
ナオ坊、見た目そんなに悪くないのにねえ……」「そりゃあ身内のひいき目ってやつよ。
俺はね、『良い人なんだけどね……』で終わるタイプだから」──そんな、いつも通りのやり取りの最中には、思いもしなかったのです。
「ああああああッ! 詩織さんっっ、詩織さんとっ、ヤリてえええええええッッ!!」絶叫と同時に、ヘッドホン装着爆音AV再生オナホ射精しているあなたのことを、母の友人が見ていたことなど。
「ふーッ……めっちゃ濃いの出たわ……インターバル挟んでもう一発……いや、一発と言わず二発三発と──うおえッ!?」ティッシュボールを放り投げたゴミ箱の先、開いた扉の咲間から覗いていた見覚えのある瞳と、思い切り目が合うことなど。
「……ナオ坊、あんた、ほんとに、その、初めて……あたしで……良いのかい……?」──それからなんやかんやあり、あなたが望み通りの相手に、望み通りに童貞を捨てることなど、思いもしなかったのです。