ストーリー
私立皇城学園。
ここには毎年、文化祭の展示教室をめぐって争う二つの部活があった。
『漫画研究部』通称、漫研部。
そして文化部でも屈指の伝統をほこる文芸部である。
いつ頃からいがみ合っているのかは先達の代からの伝統としか言いようがなく、特に文化祭のときはただでさえ、少ない展示教室をめぐって争う姿はもはや伝統といっても差し支えないような学園の名物となっていた。
しかし今年は激震が走る……漫研が持つ、部外不出、閲覧することも中々できない、秘密の原稿がなぜか、敵対している文芸部のメンバーの手のうちにあることが判明したのだ
それが公になると文化祭の展示はおろか、漫研部そのものが廃部になる危険な状況であることが漫研部の友人の口から知らされるが、主人公は正直関係無いと思っていた。
しかし、その生原稿は昔、主人公が友人と若気の至りで生み出してしまった妄想を煮詰めたあの原稿(黒歴史)と聞いて態度が一変し、友人に協力することにする。
(あれが世間にバレたら、俺の学園生活は破綻する……)
こうして主人公は副部長の樹理とはお互い反目しあうものの、何とか文芸部に潜り込むことに成功する。
文芸部は文化祭での出展物の〆切間際であり、俗に言う修羅場というやつだった。
普段であれば、多少は疑われたかもしれないが、細かいことをいちいち気にしていられない状況だった文芸部にまんまと潜入し、渡りに船とその準備の過程の中で部員と親しくなっていき、動向を探る主人公。
そういった中、着々と文化祭までの日程は進んでいき――