ストーリー
この物語の日本は文明開化以降、西洋科学文明と技術を取り入れるだけではなく、
前時代までのからくりや工芸技術といった古来の文化文物が先進の機械文明によって刺激を受け異様な発展を遂げている。
それら物質的技術ばかりではなく、陰陽道、呪禁、法術云々といった諸々の心霊的技法もまた息を吹き返した。
懐かしい新しさと、異様な旧態が混然となった魔術都市、それがこの物語の帝都である。
主人公「黒羽伽藍(くろはね・がらん)」は故郷の山奥を出奔し帝都に住まう天狗。
だがしかし近年帝都を見舞う怪事件が天狗の仕業という事にされているせいで憤激している。
物語中帝都に頻発している怪事件、凶悪犯罪は、裏で或るモノが抱いた野望によって引き起こされている。
そのモノとは、鬼人「大獄堂悪路(たいごくどう・あくじ)」。
彼の呼びかけの下に集いし異能の魔人達は、帝都の守護結界破壊により霊的パワーを手中に収めんと凶悪事件を引き起こしているのだ。
ヒロイン「月山キトラ(つきやま・きとら)」は、大獄堂一派と戦闘中の伽藍をある日偶然目撃。
その一部始終を余所にうっかり漏らしかけたせいで、伽藍の不興を買い『口封じ』されそうになる。
そこを必死、本泣きで懇願して生命だけは助けてもらったかわりに、彼の下僕になる事に……。
やがて帝都の守護結界を巡り、
伽藍と因縁の有る女スパイ「麗人M一号」、帝都の霊的守護を司る華族令嬢「相馬瑞城(そうま・みずき)」も関わり闘争はより激しくなっていく。
そして幾度かの激突の末に、ついに帝都は崩壊の危機を迎える事になる。
明かされる帝都の秘密に伽藍とキトラが出した答えとは……?